17歳の異才ピアニスト 
紀平凱成 Kyle Kihira

東京大学・日本財団が進める「異才発掘プロジェクト」第1期ホーム・スカラー。英国トリニティ・カレッジ・ロンドンの上級認定試験に高得点で合格し奨励賞受賞。17歳で同大学のディプロマ取得。全日本ジュニアクラシック音楽コンクール全国大会審査員賞受賞。

2歳の頃、自閉症と診断。幼児の頃から数字やアルファベットなど、記号や、コード(和音)名に興味を持ち、お絵かき帳に書き始める。次第にロックやジャズ、クラシックなど幅広い音楽に興味を持ち、一度聞いただけの曲をエレクトーンで再現し始める。またそれらの英語の歌詞も耳で聞き取り丸ごと覚えていた。 年長になり弾き語りを始める。自分の歌声に合わせて曲を咄嗟に転調させたり、アドリブでのアレンジも行っていた。また、過去のスケジュールを分単位で記憶していたり、一度通った場所の地図が全て頭に入っているなど特殊な能力があった。数十年前の曜日が瞬時にわかり周囲を驚かせたことも。徐々にお絵かき帳が難解な漢字熟語や複雑な計算式、楽譜で溢れ始める。中には耳で聞き取った曲以外に自ら作曲をした曲も含まれていた。

1年生の時にピアニストになりたいと宣言。5年生になり特定の音に嫌悪感を示すようになる。食器があたる音、小さい子供の声、電車のアナウンスなどの生活音だけでなく、自分が弾くピアノのあるフレーズ、音にも抵抗を示す。一方で、書きためた楽譜の数は膨大に。

13歳の時、東京大学と日本財団が進める、突出した才能を伸ばす人材養成プロジェクト、「異才発掘プロジェクト」のホーム・スカラーに選ばれる。中学生に入り、聴覚過敏に加え視覚的な過敏も訴える。15歳からは人の顔や名前を見ることにも抵抗を感じはじめた。

16歳でイギリスの権威ある音楽大学、トリニティ・カレッジ・ロンドンの”advanced certificate“(上級認定)に高得点で合格。また、資格取得後にその高い音楽能力と将来性が認められた数人だけに授与される名誉ある賞、”Exhibition Award”(奨励賞)を受賞。さらに17歳でトリニティ・カレッジ・ロンドンの“level6 diploma”(学士)資格を取得。

大勢の人にピアノを聴いてもらうことで自信を重ね、徐々に感覚過敏を克服し始めている。夢は「世界中の人に自分の曲を聴いてもらうこと」〜 感動を沢山届けるピアニストになりたいと日々、チャレンジを続けている。